コギオヤ diary

折り返しの人生模索中

視える人

父が亡くなった時、

母が迎えに来るかどうか?

それが問題でした。


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姉は

「お父さんは方向音痴だから、

  先に逝ったお母さんが

  迎えに来てくれるにちがいない。」

と、言いましたが、

私たちが小さい頃、

「お父さんとお母さんが

  離婚したらどうする?」

と、なんどか聞かれた覚えがある私は

やっと父から離れてのんびりしていた母が

迎えに来るとはどうしても

信じる事が出来ませんでした。

 

お父さんには悪いけど、

お迎えは父の

おとっつぁんとおっかさんに 

お願いをするしかないでしょう。

 

ところが葬儀が始まり、

お焼香の時、

お坊さんが正真偈を唱え始めると、

私の口は勝手に動いて

お坊さんと一緒に唱え始めたのです。

私は正真偈を始めの一頁しか

暗記していないのに

経本を見ないで最後まで唱える事が

出来たのです。

 

母が来たと感じました。

父を迎えに。

「ちゃんと迎えに来たよ。」

と、教えてくれたのです。

私は本当に安心しました。

母が天上で暮らしていたこと。

父の事を許し、迎えに来たこと。

私は何も心配することがないことを

知ったのです。

 

私は葬儀が終わると姉に

「お母ちゃん、来とったよ。」

と、報告しました。

 

その後、叔母たちの間で、

「みっちは視えるらしい。」

という噂が駆けめぐりました。