コギオヤ diary

折り返しの人生模索中

破天荒な父

私の父は、昭和一桁生まれの
亭主関白、頑固親爺でした。


私が子供の頃、父は毎日残業で
私が寝てから帰って来ることも多く
あまり触れあったり可愛がられた
というような記憶はありません。

男は 仕事、
家の事は女に任せた。
といった、典型的な昭和の男でした。
だからといって、(失礼ですが)
給料が高いわけではなく、
今でいう『ブラック企業勤務』
というものでした。
当時はまだ、
ブラック企業という言葉すらなく、
日本のすべてが、
復興に向けて頑張っている時代で、
父は疑うこともなく、働く毎日でした。


家計を預かる母は、何かがおかしい。
どこかで搾取されていると
感じながらも、家事をひとりでやり、
内職をして、家計を支えていました。


そんな父の唯一の趣味が、
麻雀で、毎週土曜日は、
嬉しそうに出掛けて行きました。
徹マンと言って、
徹夜で麻雀を打つのです。
当然、次の日は、
一日寝て過ごすことになります。
家事協力、家庭サービスとは
無縁の人でした。


ある日、大型の台風が来ていて、
家族は、
さすがに今日は行かないだろう。
と思ったのですが、
いつものようにご機嫌で、
出掛けて行きました。


さすがに母は怒ったり、
あきれたりしていましたが、
私たち子供は、
母さえいれば、母が守ってくれると
信じていましたので、
台風も怖くはなく、
ぐれることもなく成長しました。


あの日、家を出ていく
父のノーテンキな御機嫌さと
(あ、ノーテンキってNO天気ってこと?)
母の噛み殺した不機嫌さ
台風の凄い雨と風は、
一生忘れることはないでしょう。

台風19号が接近するなかで、
今年も思い出しました。