先代犬を亡くして、１ヶ月ほどたったある日、主を失った犬小屋に、なんと真っ黒なネコが入り込んでいました。
モナリザのようにゆったりと腕を組み、洗濯物を干している私を見ていました。私が気づいても微動だにせずそこに居を構えたようでした。
「クロちゃんの 生まれ変わりだ」
私には、すぐにわかりました。
クロは、名前はクロですが、色は白地に黒い斑のある犬でした。ちょっと間違ってる！しかも猫に生まれ変わるなんて❗だいぶ間違ってる！
私はネコを飼ったことはありませんでしたし、飼おうと思ったこともありませんでしたが、クロの生まれ変わりなら、飼わないという選択肢はありません。純粋にクロちゃんが帰って来てくれた事が嬉しかったのです。
クロネコは、３日間家に留まり、4日目には姿を見せませんでした。何日も何日も待ちましたが、２度と帰ってくることは ありませんでした。
そう。
やっぱりあの子は、クロの生まれ変わりだったのです。49日を前に、最後のお別れに来たのでした。
