コギオヤ diary

折り返しの人生模索中

祖父の心の重荷

私の母方の祖父は、帝国軍人だったそうです。

満州で戦ったたこともあるそうでした。

そのことについて、

是非を問うたことはありません。

 

私が、四年生のとき、

夏休みにお昼ご飯担当として、

お手伝いをがんばったご褒美に

祖父が、伊勢にハイキングに

連れて行ってくれました。

海岸線を歩いていると、湾になった所の

向こう側に、テーマパークなのか、

大きなタコが見えました。

 

それを見て、祖父は、

「自分が、

陸軍幼年学校の教官をしていたとき

生徒たちが陰で、自分の事を

『たこ入道』と呼んでいた。」

と、懐かしそうに話しました。

 

けれども最後に

「自分は生きているけれど、

生徒たちはみんな死んでしまった。」

と、ポツリとつぶやきました。

私は何も言えなくて、

ただ黙って歩き続けました。

 

祖父は自分の人生を後悔していたのでしょうか?

わずか10才の私にも、

詮索してはいけない事と感じました。

実際祖父は、心に思っていることを

誰にも話すことはなかったそうです。

 

祖父が、亡くなった後、

葬儀に間に合わなかった

教え子と名乗る男性が、訪ねてきて、

「なぜ 知らせてくれなかったのか?」

と、泣かれたそうです。

 

祖父の 心に秘めていた重荷は、

祖父が思っていたよりも少しだけ

軽いものだったとわかり、

うれしかったことを覚えています。

 


 今、東アジアは、

キナ臭い空気が流れています。

降りかかった火の粉は

払わねばなりません。

でも、

戦争を肯定することは絶対許されません。


どうすれば、

このふたつが、両立するでしょうか?