コギオヤ diary

折り返しの人生模索中

雷か石か?

5〜6才のころ、雷が苦手でした。
まあ、子供はみんなそうですよね。


雷がなると、おへそを隠して、
母に布団を敷いてもらって
隠れていました。


ある日、雷がなり、
いつものように母に
布団を敷いてくれるように頼みました。


すると、母は、
「あれは、雷ではなく、
遠くのお山で、大きな石が、落ちる音だよ。」
と、言いました。

石が落ちる音なら、怖くありません。
私は、その日は、雷を気にすることなく
過ごすことが、できました。


それからは、雷がなるたびに母に
「今のは、雷?石が落ちる音?」
と、確認するようになりました。
どうしても、自分では
違いがわからなかったからです。

でも、やけにたくさん石が落ちるなぁ。
今年は、雷が少ないなぁ。
とは、思っていました。



しばらくして、
季節は変わり、移り、
また、雷の季節がやってきました。

私は母に聞きました。
「今のは、雷?石?」
母は、一瞬きょとんとした顔をしてから、
「大きい石が落ちる音だよ。」
と、言いました。

母は、自分で決めた設定を
一瞬忘れていたのです。
私は母の顔色を読む子供だったので、
その一瞬で、
それが嘘だったことを理解しました。


けれどもその瞬間に、
雷が怖くなくなりました。
(昨年中、怖くなかった訳ですからね。)


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「雷がなってます。怖いです。」
大丈夫あれは、遠くのお山で石が落ちる音だよ。