コギオヤ diary

折り返しの人生模索中

『疑惑』芥川龍之介

私のすむ町岐阜県大垣市

芥川龍之介の、大垣市を舞台にした

『疑惑』という短編小説があります。

 

その『疑惑』を題材に

市の図書館で文学講座がありました。

2~3日前に知って定員が空いていたので、

予約して、参加してきました。


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講師は当市出身の元校長先生。

参加者は私を含め

中高年の女性がほとんどでした。

 

『疑惑』は明治時代に

主人公の『私』(実践倫理学の権威)が

講演会で大垣を訪れたとき、

ある男性から、

打ち明け話をされるという話です。

 

その男性は、濃尾地震の際に

崩れた家に挟まれた妻を

どうしても助けることが出来ず、

火が迫り、苦しんで死ぬよりは……と、

妻を瓦で打ち殺したと、言うのです。

誰にも打ち明けることが出来ずに

暮らしていたのですが、

再婚をすすめられ、

結婚式の正にそのとき、

「自分は人殺しなのです。」

と、言ってしまい、

それからもう10年、

気違いだと言われて暮らしています。と。

でも、実践倫理学の権威であるのに

『私』は、男性に何も言う事が出来なかった。

 

 

彼はどんな気持ちで 妻を殺したか

妻はその時 どう思っていたか?

芥川龍之介は大垣に来たのか?

背景として、大垣は当時

日本一教育に力を入れていました。と。

 

ここまでは楽しく学んできたのですが、

最後に結びとして、

主人公の『私』の

学んできた実践倫理学

男性にかける言葉を持たなかった。

大垣が力を入れていた教育は

男性を救えなかった。

(男性は町1番の小学校の先生)

大正デモクラシーに沿った

教育に移行していくべき。と。

最後時間がなくて、

教育と大正デモクラシーの関係を

良く理解できないまま終わってしまったことが

残念です。

 

 

……なんか大垣市民としては、

小説の舞台となっていて嬉しかったのに、

大垣が力を入れていた教育は

無駄だったと、言われたように感じて

がっかりしてしまいました。

 

でも、読書が好きなのに

感想を言い合える友達を

ずっと持ってこなかった私には

とても楽しい時間でした。

これで、ドラマのように

カフェで復習会なんて出来たら

楽しいだろうなぁ。

と、思うけれど

勇気いるよねぇ。無理だよねぇ。