コギオヤ diary

折り返しの人生模索中

30日におこったこと

晦日の朝、私は自分の部屋で、

次男のなっきからの

着信音で目覚めました。

(こんなに朝早く、

  何かあったのかな?

  あれ、私、リビングで

  ポーちゃんと寝てたはずだけど?)

 

「はい。なっちゃん?どうしたの?」

答えるまもなく、

長男ののりちゃんが、

部屋に駆け込んできました。

私からスマホを取り上げ、

「もしもし、うん、うん、うん………

  おかん、今日何日かわかる?」

「大晦日やろ?」

「あっ、わかるんや。  わかっとるわ。」

私の日にち把握能力が低いことを

バカにしとるやろ。

「じゃー、昨日、何があったか覚えとる?」

私の胸に冷たい不安がよぎりました。

 

「ポーちゃんが死んじゃったの?」

「あっ、覚えとるんや。

  わかるんやね、覚えとるんやね。

  大丈夫みたいやわ。」

 

のりちゃんはなっきと

しばらく話していましたが、

やがて電話を切ると、

 

「おかん、落ち着いて聞いてね。

  昨日、ポーちゃんが死んだあと、

  おかんは精神的に不安定になって、

  なんにもわからなくなっちゃったの。

  何度も何度も『今日は何日?』

  『ポーちゃんは死んじゃったの?』

  ばっかり言って

  悲しがりもしなかったんだよ。

  覚えとる?」

 

何も覚えていません。

29日のことはおぼろげにわかりますが、

そこから31日に目が覚めるまでの記憶が、

すっぽりと抜けているのでした。

 


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ありし日のポーちゃん