私は、経済的に恵まれていない家庭で育ちました。
なので、よその家には
サンタさんは来るかもしれないけれど、
うちには来ないことは知っていました。
けれども、小学生2年生の時、
1度だけサンタさんが来たことがあります。
父が、『小学2年生』
という本を買ってくれたのでした。
その日はもう遅いということで、
「明日まで待ちなさい。」
と、母に言われて、
枕元に置いて寝ました。
うれしくてなかなか寝付けませんでした。
うれしくて、次の朝、
パッチリ目覚めた私。
電気をつけ、姉を起こして
本を読み始めました。
しばらくすると
怖い顔の母がやって来ました。
朝ではなく、まだ夜だったのです。
「お届けものに あがりました」