私にとって、秋はいつも読書の秋でした。
いえ、年中本を読んでいました。
夢中で読んでいると、現実逃避が出来て、
いつもストレス発散出来ました。
先日私は、何十年も持っていて、
何年かに一度は読み返した本を処分しました。
その中に『赤毛のアン』のシリーズがあります。
十冊あるので、読み始めるとしばらくは
夢の中にいられます。
いられたのです。
でも、ある年齢を過ぎてから、
私は、本にのめり込めなくなりました。
アンに憑依できなくなったのです。
子供の頃から、ずっと味方だった本に
拒絶された気がしました。
頭を空っぽにして、本を読み、
のめり込もうとするのですが、
アンの気持ちにはなれないのです。
いつも、心配したり、応援したり、
第三の保護者として、
マリラやマシュウの傍らに立っているのです。
それは、新しい境地と言えばそうなのでしょう。
一冊の(十冊の)本で、二度美味しい。
と言えなくもありませんが、
私が、望んでいるものではありません。
私は、主人公になりたいのです。
私は、グリーンゲイブルスから、
退去したのでした。