コギオヤ diary

折り返しの人生模索中

おいとまごい

今日、朝食の後で、
まぉさんが私の膝に座りました。
そして、下からまじまじと
私の事を見上げました。

その眼差しは、
まぉさんが
うちの子になってすぐのこと、
ナッキのあぐらにすっぽりと包まれて、
「こんな幸せ信じられない。」
と、いう顔をしていたときの
眼差しに似ていましたが、
私には違って見えました。



皆さんは、
『おいとまごい』
ってご存知でしょうか?
お別れの挨拶のことですが、

「この間、
⚪⚪さん家のおばあさんが、
土手に座って長い間、
景色をみてらしたけれど、
昨日お葬式だった。
『おいとまごい』
をなさっていたんだね。」
という風にも使います。

そう、私の地方では
永のお別れの予兆に使うのです。


義母が亡くなる前、入院先で、
いつもは義妹と、夫と、私とで、
交代で食事などの
世話をしていたのですが、
たまたま三人が、
病床に揃いました。

義母は、
夫の顔を初めて見る物の様に
じっと見つめました。
まじまじと見ていました。
そして、義妹の顔を。
最後に私の顔を。
ありがとうとさようならの
両方が混ざりあった眼差しでした。

私は、『おいとまごい』の事は
知識として知っているだけで、
初めての経験でしたが、
あぁこれが
『おいとまごい』なんだな。
ということが、すぐにわかりました。


まぉさんの眼差しが、
『おいとまごい』で
ありませんように。
「ご飯ちょうだい」
「トイレをきれいにして」
要求鳴きをしてください。


f:id:cogioya:20191028083000j:plain