コギオヤ diary

折り返しの人生模索中

我が家にホーロー鍋がない訳

私は、ホーローのお鍋が嫌いです。
ですから、
うちにはホーローのお鍋は1つもありません。
お鍋は悪くありません。
すべて私が悪いのです。


結婚をしたときには、3〜4個持って行ったので、
はじめは使っていました。厚みがあって
火の当たりが柔らかいので、
肉じゃがやシチューなど、
レパートリーの少い新米主婦の私をよく助けてくれました。


ところがある日、
私はいつものように料理をしていました。
長男ののりちゃんは1才。
料理をする私の足元に座って
おとなしく遊んでいました。


そののりちゃんの頭に
あの重いガラスの蓋を落としてしまったのです。


人は絶対絶命の危機の瞬間、
過去が走馬灯のように見え、
過去の経験から
回避策を探すそうです。

又、長嶋監督は、現役時代
ピッチャーの投げた球が
コマ送りで見えたそうです。


私にも、お鍋の蓋が
のりちゃんの頭めがけて落ちていくのが、
コマ送りで見えました。
「我が子を殺してしまった。」
そう思いました。


蓋がのりちゃんの開いた足の間に
落ちるまでには、
1〜2秒しか かからなかったはずですが、
私にはとても長く感じました。


びっくりして火が付いたように
泣き出したのりちゃんをあやしながら、
ホッとして、いっしょに泣きました。


のりちゃんのキッチンへの立入禁止と
みっち家の ホーロー鍋の追放が、
即日決定、実行されました。


30年も前の事ですが、
今も思い出すと、動悸がして、
大事な我が子を殺していたかもしれなかったと
胸が苦しくなります。


f:id:cogioya:20190830235619j:plain