「ゲッ、なんでドラえもん?」
久しぶりに帰ってきた、
次男のナッキが私のパジャマを見て、言いました。
そうです。
私はドラえもんのパジャマを持っています。
これは、ナッキが
中学生の頃に買ってあげたものです。
本人は、全然覚えていない様でしたので
黙っていました。
思春期に入ったナッキは、
家ではほとんど口をききませんでした。
そして、なぜか、
パンいちで、寝るようになりました。
私は、『マリリン・モンローかよ!』
と、心の中で突っ込みつつ、
かわいいパジャマでも買ってあげたら、
着て寝るかな?
と、思ってこのパジャマを買ったのです。
言わないで。
わかっています。今なら。
ドラえもんのパジャマがどんなに
当時のナッキの心からかけ離れているか。
でも、当時の私には、
思春期の男の子の気持ちなんて、
見当もつかず、
こーかなー?
あーかなー?
と、試行錯誤の毎日でした。
去年引っ越しをした際に、
新品のこのパジャマを見つけ、
15年ぶりに日の目を見ることになったのです。
「お母さん、全然わかってないわね。
黙って寄り添ってあげるだけでよかったのよ。」
あの頃は、それでも真剣で精一杯だったのよ。